前田 昌輝(まえだ まさてる)
1973年生まれ
京都府出身
天然素材の木の器
安全で美味しい食事をよりおいしくいただきたくて、2015年から天然素材にこだわった木の器作りを
岐阜県多治見市のtaller/タジェール(工房)で始めました。
食後、空っぽになった木の器たちを眺めながらおしゃべりするこころのゆとり。
その小さなこころのゆとりが毎日の暮らしを豊かにしてくれます。
化学のものを一切使わずに創り出されたものは、手触りや口当たりはもちろん見た目にも自然のやさしさがあふれています。
自然で美しいかたち、それは思わず触れたくなるようなボディーラインをイメージしたなめらかな曲線デザイン。
椀やボウルなど持ち上げてつかう器では、指をすべらせるとすぅっと底面にフィットするやわらかい曲面に仕上げます。
木の器を両手に包むと何とも言えない安心感を感じます、ちょうど森で大きな木に抱きついたときのように。
天然木から削り出し、柿渋・草木染め・鉄媒染で木地を染め、天然植物油や漆でコーティングした器たち。
素材を活かし手になじむフォルムに仕上げるため図面は引かずひとつひとつ感性で削り出していきます。
木材:
サクラ、カエデ、ナラなど間伐や道路にはみだし危険木として伐採された材などを主としてつかっています。
鉄媒染(鉄染め):
錆釘を穀物酢に入れておくとできる鉄分を含んだ媒染液。この鉄分と木の持つタンニンという成分が反応して黒く変化します。木によってタンニンの含有量が異なるため染まり具合も変わってきます。
漆:
漆の木から採取してろ過しただけの生漆を使い拭き漆の技法で仕上げます。
塗った漆を紙で拭き取り、乾かし、研磨という工程を必要に応じて6回から20回以上繰り返して仕上げます。
柿渋:
渋柿を絞った果汁を発酵させたもの。赤茶色をしており古来より防腐・防水などの目的で家屋や番傘などに使われています。乾くと固まり溶け出すことはありません。
天然植物油:
ドイツに古くから伝わる伝統的な、化学物質を使わない製法で作られたクライデツァイト社のオイルを使用しています。
白漆:
精製した漆に白の顔料を練りこんだものを使用しています。名前は白漆ですが漆自体が茶色いので仕上がりの色はカフェオレ色になります。鉄染め拭き漆の器のアクセントに使っています。
錫粉:
錫(すず)の極微細な粉末で、白漆同様に鉄染め拭き漆の器のアクセントとして蒔いて使います。